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Posted by おてもやん at

2012年06月29日

記憶低下のメカニズムが明らかに・・・

『記憶低下のメカニズムが明らかに――都医学研』
(ケアマネジメントオンライン 2012/06/18 12:00 配信)

東京都医学総合研究所は6月8日、記憶を長期間維持するために、マグネシウムイオンが記憶や学習に重要な役割をもつNMDA受容体の情報伝達経路をブロックしているメカニズムを、ショウジョウバエを用いて世界で初めて明らかにした

老化やアルツハイマー病にみられる記憶力の低下の原因の一つには、特にNMDA受容体の機能不全が考えられているが、今回の結果から、アルツハイマー病や老化による記憶力低下のメカニズムの一部が明らかになることが期待される。

■研究の概要:
記憶を長期間維持するためには、神経細胞内で遺伝子の活性化が必要となる。今回、遺伝子操作をおこないマグネシウム阻害がおこらないショウジョウバエを作成して、パブロフ型条件付けで連合学習を調べたところ、正常に学習していることがわかった

一方、CREBといういろいろな遺伝子を活性化するタンパク質について調べると、神経細胞内で遺伝子を活性化できない“抑制型”CREBが増加しており、長期の記憶の維持に必要な遺伝子が抑制されていることが明らかになった。このことから、NMDA受容体のマグネシウムによる阻害は、余分なカルシウムイオンの流入を防ぎ、“抑制型”CREBの増加を抑えるためであることが分かった。

■今後の展望:
アルツハイマー病の治療薬の一つであるメマンチンは、NMDA受容体に対しマグネシウム阻害と同様な作用を持っていることが知られている。さらに脳の中に長期間とどまるように工夫されたマグネシウムイオン(マグネシウム L-スレオネート)も老化による記憶力の低下を防ぐことから、アルツハイマーの治療薬として期待される。生体内のマグネシウムイオンの恒常性については、まだまだわかっていないことがあるが、今回の研究の結果から、老化による記憶低下や、アルツハイマー病のメカニズムの一部が明らかになることが期待される。

【用語説明】
NMDA受容体(グルタミン酸受容体) 哺乳類において、脳の主要な神経伝達物質であるグルタミン酸によって活性化し、神経細胞内の生化学的反応を起こす。NMDA受容体はグルタミン酸以外にもNMDA(N-メチル-D-アスパラギン酸)という薬でも活性化することからその名前が付いた。NMDA受容体が活性化すると、細胞内にカルシウムイオンが流入する。カルシウムイオンの流入は神経細胞内のあらゆる生化学的反応の起点と考えられている。

■問い合わせ:
(公財)東京都医学総合研究所 学習記憶プロジェクト
電話 03-6834-2425

事務局研究推進課
電話 03-5316-3109

◎東京都医学総合研究所



  


Posted by ふくえん at 08:30Comments(0)介護保険情報