2015年03月12日
4年前のあの日...
桃の節句を過ぎ、寒さの中に春の気配を感じる今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。
テレビでも大々的に取り上げられていましたが、東日本大震災から丸4年が経ちましたね。
月日の流れは本当に早いものです。
2時46分...意識はしていましたので、この日は作業を止めて黙祷をすることができました。
ただTwitterに「黙祷なう」とツイートされた方もいらっしゃったようで...批難が殺到したようです。
私もさすがにそれは...と思った次第です。
さて、東日本大震災に触れてまいりましたが、今日は12日ですので4年前はもちろん大震災の日ではありません。
何の日かというと、「九州新幹線全通」の日です。
4年前のこの日、博多~新八代間が開通したことで、鹿児島ルートが全通しました。
前日に大震災という出来事が起こってしまい、セレモニーなどはもちろん自粛となりましたが、現在もダイヤどおりに運行を続けております。
ところで、この九州新幹線全通のCM...ご存知でしょうか。
当時話題にもなりましたが、3月9日から放送され、わずか3日で自粛となってしまった幻のCMと言われています。
4月29日に東北新幹線の全線復旧時に、沿線各地でこのCMを模したウエーブが巻き起こったほど、話題沸騰でしたね。
このCM、九州全域を巻き込んで、九州のみんなが参加するお祭り。その模様をそのままCMにしようということで始まった企画だったのですが、
イベントに参加するのは、ネット上で登録した先着1万人。
さらに沿線にある学校、企業、少年野球チームなどいろいろな団体に声をかけたそうです。
何人集まるかは撮影当日にならないとわからない。
もちろん心配事はそれだけには収まらず、スピードが速すぎるときれいに撮影できないため、新幹線を時速80kmに、駅構内では時速40kmという低速運転で走らせることを提案したそうです。
猛スピードで行き交う新幹線...そこを低速で新幹線が走れるのか。
いろんな心配をよそに「大丈夫。やります」と、JR九州の同プロジェクトを担当した古宮洋二営業部長は太鼓判を押したそうです。
営業運転前のまっさらの新車にラッピングをすることもOKが出たというからすごいですね。
本番前にやるべきことは全てやり終えたが、当日にならないとわからないことが多く、どんなに準備をしても不安を拭い去ることはできなかったようです。
もちろん当日の天候も気になるところだったようですが、2月20日の撮影本番当日...鹿児島は朝から土砂降りの雨に見舞われてしまいましたが、そのまま雨天決行。
10時55分、新幹線は雨の中の鹿児島中央駅を出発。
走っているうちに雨が止んだそうで、撮影の成功を後押ししてくれたのかもしれませんね。
そして何より一番驚いたのは、沿線に詰めかけた人、人、人...赤ん坊をかついで走るお父さんや、「結婚しました」というプラカードを掲げる新婚カップル。パトカーの前で敬礼する警官、事前の交渉で「忙しいから無理」と断られた会社の人たちまで...予想をはるかに超える様々な人出が沿線に押し寄せたそうです。
ただ制作側とは逆にJR九州にとっては安全が最優先。「無事に終わらせる。頭の中はそれしかなった」と後日お話をされています。
そんな中でも、1人でも多くの人たちの顔がはっきりと撮影できるよう、時速80kmからさらに速度を下げて走り、その分、トンネル内などで速度アップしてダイヤに支障がないよう挽回するなど、運転士に間断なく速度指示を飛ばし続けたそうです。
そのかいあって、14時12分、5分遅れで無事博多に到着することができたとのこと。
このCMは世界でも評価され、カンヌ国際広告祭でアウトドア部門の金賞を受賞しました。
結果的に大震災という悲劇が起こり、このCMは3日だけの放送となってしまいましたが、それでも見た人からの話題が沸騰し、各地で取り上げられたことで、多くの人の目に触れることができました。
映ってるのが確認できた人は本当に嬉しかったでしょうね。
九州新幹線は今日も元気に邁進中です。