2012年12月26日

国内医療/介護保険者関連IT市場、2012年は・・・


『国内医療/介護保険者関連IT市場、2012年は前年比6.7%増の904億円に』
2011年~2016年の年間平均成長率は2.1%、2016年市場規模は940億円と予測
(エンタープライズITの総合ニュースサイト 2012年12月17日)

 IT専門調査会社のIDC Japanは12月17日、国内の医療/介護保険者関連IT支出額予測を発表した。

 それによると、被用者保険(共済組合、健康保険組合、全国健康保険協会など)、国民健康保険、後期高齢者医療広域連合、レセプト審査支払機関、介護保険などを含む国内医療/介護保険者関連のIT市場支出額規模(ハードウェア、ソフトウェアおよびITサービスを含む)は、2011年のIT支出額が847億円、2012年が前年比6.7%増の904億円になる見込みだという。なお、2011年~2016年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は2.1%と見られており、同社は、2016年には同金額が940億円へ拡大すると予測している

 短期的には、2012年4月に実施された診療報酬および介護報酬の同時改定が市場を牽引した。また、医療保険者分野では、全国健康保険協会(協会けんぽ)業務/システム刷新、後期高齢者医療広域連合電算処理システム刷新、第2期特定健康診断/特定保健指導制度導入も、市場拡大の一翼を担っているという。さらに、介護保険者分野では、国民健康保険中央会介護保険/障害者自立支援システムの一拠点集約化など、既存システムの刷新/修正需要も市場を牽引しているとのことだ。

 なお同社は2014年以降も、診療報酬改定(2014年および2016年)、介護報酬改定(2015年)、消費税率引き上げ(2014年および2015年)、医療/介護分野のマイナンバー制度導入(2016年7月以降)などが見込まれること、地域包括ケアシステムの導入など医療/介護連携が本格化することから、IT支出額は堅調に推移すると予測している

 同社は、「ICTについては、医療と介護を結ぶバリューチェーンの全体最適化の視点から業務プロセス改革を推進するドライバーとしての役割が期待されている。しかし、制度改正のライフサイクル(医療:2年、介護:3年)と情報システムの更新ライフサイクル(法人税法上ハードウェア/ソフトウェアの耐用年数である5年が一般的)が異なるなど、必ずしもそのメリットを最大限に生かせる環境ではない」と指摘している。

 IDC JapanでITスペンディンググループ リサーチマネージャーを務める笹原英司氏は、「クラウド関連ソリューションを提供するベンダーは、各保険者のICT基盤の更新ライフサイクル管理が、健康/介護保険制度の改正/新設に伴うアプリケーション開発/更新作業のスケジュールと調和するように、『利用』のメリットを生かしたクラウドサービス利活用の提案を行うべきである」と述べている。

国内医療/介護保険者関連IT市場、2012年は・・・
▲2011年~2016年における国内医療/介護保険者関連IT市場 IT支出額予測(2011年は実績値、2012年以降は予測:出典IDC Japan)




Posted by ふくえん at 08:30│Comments(0)介護保険情報
 
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