2012年11月28日
在宅の情報、皆で共有は正しいのか・・・
こんにちは!ふくえん熊本の益田です(^^)/
「情報の共有」は大切だと考えますが、
広げすぎる(過度な)情報共有にはデメリットも考えられるのですね、、、
しかし、「情報の最適化」=適切な情報・価値ある情報の判断と選択って難しいような気もします
『在宅の情報、皆で共有は正しいのか- 家族「不要な情報排除してこそ決断できる」』
(キャリアブレイン 2012年11月20日 16:11)
第32回医療情報学連合大会がこのほど、新潟市で開かれ、「在宅医療における医療介護福祉連携」と題したシンポジウムが行われた。チーム医療では情報共有が欠かせないといわれる中、在宅医療における患者や家族の意思決定を考えた場合、すべての職種が同じ情報を共有することが、必ずしも良い結果をもたらさないことも指摘された。

「在宅医療における医療介護福祉連携」と題したシンポジウムでは、関係者全員で均等な情報共有をすることのデメリットも指摘された
祖母を在宅で15年間介護した宮崎詩子氏(介護相談サロン「ソワニエグラン」代表)は、在宅で看取る上で、家族がどのような情報を望んでいるのかを体験を基に報告した。
宮崎氏は、終末期ケアは家族の領域と考えており、医療や福祉、地域や行政などは、家族が終末期ケアをやり遂げるためのサポーターという共通認識をはぐくむことが、多職種連携の基盤になるのではないかと述べた。
また、家族は医師との人間関係を築き、病状変化の具体例や看取りの様子、段取りを教えてもらうことで、必要な情報は何なのかが見えてくるとした。そして、祖母の介護で情報が集まってきた時、連携の推進役となったのは、家族だったという。
祖母の看取りでは、胃ろうを含むすべての医療、ケアを終了させるという形を選んだ。祖母が絶食状態となってから、亡くなるまでの10日間は、別れを惜しむための豊かな時間になったが、一方で終末期の判断を適切に行うために、体調の変化に注目し、ケアの在り方を再検討することは、簡単ではなかったという。
その際、意識的に第三者が見ても納得できる情報を積み上げていった。栄養量については、家族、医師、看護師の3者間での情報共有のために、摂取カロリーの推移を表に記録していった。
宮崎氏は、栄養量の記録は終末期の判断について、根拠を残すことが目的であったため、終末期の代理判断にかかわらないケアマネジャーとは、情報を共有しなかったという。
その理由として、もし情報共有の範囲を広げた場合、親切心からさまざまな職種が意見を述べ、不用意な発言が家族の心理的な負担となってしまい、満足のいく決断が妨げられることも考えられたためだとした。
宮崎氏は、臨死期への移行を決めるには、適切な情報が必要と言い、終末期を示す情報があったとしても、埋もれていては価値がないと指摘。多職種間の情報共有において、情報は連携のツールではなく、判断材料である点を忘れてほしくないとした。
宮崎氏は、家族が欲しい情報について「突き詰めれば、心残りの解決と安らかな旅立ちの実現に役立つ情報だけかもしれない」と指摘。また、安らかな死を迎えさせるために、患者本人が発するサインを感じ取れるかどうかが、代理判断者としての家族に求められる責任だと考えれば、「不要な情報を排除してこそ、選択し、決断することができる」と述べた。さらに、家族が代理判断を行う上で、医療情報が重要なツールとなり、在宅医療で豊かな看取りの文化がはぐくまれることを願っているとした。
■均等な共有は、患者・家族を悩ませることも
病院と在宅医療・介護関係者の調整役である「在宅医療コーディネーター」を務める訪問看護師の水木麻衣子氏(東大大学院医学系研究科)は、在宅医療における情報の最適化の在り方について報告した。
東京都豊島区で設けられている在宅医療コーディネーターは、在宅ケアにおいて患者・家族の意思決定を支援し、関係者の合意形成を担っていく役割があるという。
水木氏は、患者・家族を支えるために必要な情報は、職種によって異なり、在宅医療コーディネーターは、各職種が行動できるよう適切に伝える必要があると指摘。その一方で、各職種に均等に情報を伝えることで、不具合が起こることがあると強調した。
例えば、がん末期の患者が在宅で療養する場合、家族は家で支えられるか不安に思ったり、患者も家族の負担にならないか悩んだりする。
それに対し、在宅医、訪問看護師、薬剤師が意思決定に協力しようと、各自の判断でアドバイスすることで、むしろ患者・家族の意思決定が揺らいでしまうことがあるという。
水木氏は、さまざまな情報を与えられ、意思決定に迷ってしまう患者・家族を支えるため、在宅医療コーディネーターは情報をコントロールする役割もあるとした。
また、高齢者の在宅ケアは、ターミナルの状態だと考えられても、長期化する傾向もあるため、水木氏は、半年に1回などとタイミングを決めて、患者の状態の変化と方針を話し合ってはどうかと提案した。
水木氏は、適切な内容を適切な時期に提供することで、患者・家族の意思決定を安定させられるとした。そして、情報を均等に共有させるのではなく、患者・家族にとって価値のある情報を、身体状況に変化が生じた時などのタイミングで、共有すべき人と共有し、情報の最適化を図るべきと訴えた。
セコム医療システム・薬剤サービス部の黒岩泰代氏は、在宅訪問服薬指導をする薬剤師の立場から報告した。
在宅では、患者宅に置かれた「介護ノート」が情報共有ツールになっていることが多いが、黒岩氏は、それぞれの職種がランダムに情報を記載していることも多いと指摘。また、大事な情報がどこにあるのか、いつの情報なのかといったことが、なかなか把握しづらいとした。
薬剤師が訪問服薬指導にかかわるのは週1回程度だが、その頻度では介護ノートを読み切ることが難しく、情報も古くなってしまうことがあるという。
訪問服薬指導を終えると、訪問報告書を作成しているが、以前は情報の羅列で終わることもあったという。アセスメントをしたが、処方せんに反映されなかった時、医師に理由を聞いたところ、情報を羅列しているだけでよく分からないと言われた。
現在では、カンファレンスの際、医師がどのような情報を必要としているのかを確認した上で報告書を作成し、医師に活用してもらおうと考えている。
このほか、訪問先で転倒してしまったという話を聞いても、薬剤師としてどう対応すればよいのか迷う場面もあることから、訪問服薬指導で得られた情報を、他の職種が必要とするレベルで伝えられるかが、今後の課題とした。【大戸豊】
「情報の共有」は大切だと考えますが、
広げすぎる(過度な)情報共有にはデメリットも考えられるのですね、、、

しかし、「情報の最適化」=適切な情報・価値ある情報の判断と選択って難しいような気もします

『在宅の情報、皆で共有は正しいのか- 家族「不要な情報排除してこそ決断できる」』
(キャリアブレイン 2012年11月20日 16:11)
第32回医療情報学連合大会がこのほど、新潟市で開かれ、「在宅医療における医療介護福祉連携」と題したシンポジウムが行われた。チーム医療では情報共有が欠かせないといわれる中、在宅医療における患者や家族の意思決定を考えた場合、すべての職種が同じ情報を共有することが、必ずしも良い結果をもたらさないことも指摘された。

「在宅医療における医療介護福祉連携」と題したシンポジウムでは、関係者全員で均等な情報共有をすることのデメリットも指摘された
祖母を在宅で15年間介護した宮崎詩子氏(介護相談サロン「ソワニエグラン」代表)は、在宅で看取る上で、家族がどのような情報を望んでいるのかを体験を基に報告した。
宮崎氏は、終末期ケアは家族の領域と考えており、医療や福祉、地域や行政などは、家族が終末期ケアをやり遂げるためのサポーターという共通認識をはぐくむことが、多職種連携の基盤になるのではないかと述べた。
また、家族は医師との人間関係を築き、病状変化の具体例や看取りの様子、段取りを教えてもらうことで、必要な情報は何なのかが見えてくるとした。そして、祖母の介護で情報が集まってきた時、連携の推進役となったのは、家族だったという。
祖母の看取りでは、胃ろうを含むすべての医療、ケアを終了させるという形を選んだ。祖母が絶食状態となってから、亡くなるまでの10日間は、別れを惜しむための豊かな時間になったが、一方で終末期の判断を適切に行うために、体調の変化に注目し、ケアの在り方を再検討することは、簡単ではなかったという。
その際、意識的に第三者が見ても納得できる情報を積み上げていった。栄養量については、家族、医師、看護師の3者間での情報共有のために、摂取カロリーの推移を表に記録していった。
宮崎氏は、栄養量の記録は終末期の判断について、根拠を残すことが目的であったため、終末期の代理判断にかかわらないケアマネジャーとは、情報を共有しなかったという。
その理由として、もし情報共有の範囲を広げた場合、親切心からさまざまな職種が意見を述べ、不用意な発言が家族の心理的な負担となってしまい、満足のいく決断が妨げられることも考えられたためだとした。
宮崎氏は、臨死期への移行を決めるには、適切な情報が必要と言い、終末期を示す情報があったとしても、埋もれていては価値がないと指摘。多職種間の情報共有において、情報は連携のツールではなく、判断材料である点を忘れてほしくないとした。
宮崎氏は、家族が欲しい情報について「突き詰めれば、心残りの解決と安らかな旅立ちの実現に役立つ情報だけかもしれない」と指摘。また、安らかな死を迎えさせるために、患者本人が発するサインを感じ取れるかどうかが、代理判断者としての家族に求められる責任だと考えれば、「不要な情報を排除してこそ、選択し、決断することができる」と述べた。さらに、家族が代理判断を行う上で、医療情報が重要なツールとなり、在宅医療で豊かな看取りの文化がはぐくまれることを願っているとした。
■均等な共有は、患者・家族を悩ませることも
病院と在宅医療・介護関係者の調整役である「在宅医療コーディネーター」を務める訪問看護師の水木麻衣子氏(東大大学院医学系研究科)は、在宅医療における情報の最適化の在り方について報告した。
東京都豊島区で設けられている在宅医療コーディネーターは、在宅ケアにおいて患者・家族の意思決定を支援し、関係者の合意形成を担っていく役割があるという。
水木氏は、患者・家族を支えるために必要な情報は、職種によって異なり、在宅医療コーディネーターは、各職種が行動できるよう適切に伝える必要があると指摘。その一方で、各職種に均等に情報を伝えることで、不具合が起こることがあると強調した。
例えば、がん末期の患者が在宅で療養する場合、家族は家で支えられるか不安に思ったり、患者も家族の負担にならないか悩んだりする。
それに対し、在宅医、訪問看護師、薬剤師が意思決定に協力しようと、各自の判断でアドバイスすることで、むしろ患者・家族の意思決定が揺らいでしまうことがあるという。
水木氏は、さまざまな情報を与えられ、意思決定に迷ってしまう患者・家族を支えるため、在宅医療コーディネーターは情報をコントロールする役割もあるとした。
また、高齢者の在宅ケアは、ターミナルの状態だと考えられても、長期化する傾向もあるため、水木氏は、半年に1回などとタイミングを決めて、患者の状態の変化と方針を話し合ってはどうかと提案した。
水木氏は、適切な内容を適切な時期に提供することで、患者・家族の意思決定を安定させられるとした。そして、情報を均等に共有させるのではなく、患者・家族にとって価値のある情報を、身体状況に変化が生じた時などのタイミングで、共有すべき人と共有し、情報の最適化を図るべきと訴えた。
セコム医療システム・薬剤サービス部の黒岩泰代氏は、在宅訪問服薬指導をする薬剤師の立場から報告した。
在宅では、患者宅に置かれた「介護ノート」が情報共有ツールになっていることが多いが、黒岩氏は、それぞれの職種がランダムに情報を記載していることも多いと指摘。また、大事な情報がどこにあるのか、いつの情報なのかといったことが、なかなか把握しづらいとした。
薬剤師が訪問服薬指導にかかわるのは週1回程度だが、その頻度では介護ノートを読み切ることが難しく、情報も古くなってしまうことがあるという。
訪問服薬指導を終えると、訪問報告書を作成しているが、以前は情報の羅列で終わることもあったという。アセスメントをしたが、処方せんに反映されなかった時、医師に理由を聞いたところ、情報を羅列しているだけでよく分からないと言われた。
現在では、カンファレンスの際、医師がどのような情報を必要としているのかを確認した上で報告書を作成し、医師に活用してもらおうと考えている。
このほか、訪問先で転倒してしまったという話を聞いても、薬剤師としてどう対応すればよいのか迷う場面もあることから、訪問服薬指導で得られた情報を、他の職種が必要とするレベルで伝えられるかが、今後の課題とした。【大戸豊】
Posted by ふくえん at 12:00│Comments(0)
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