2012年05月01日
平成24年度介護保険制度改正、これからどうなる?
4月1日から、シニア世代に関心の高い「介護保険制度」が改正されました。これにより新設されたサービス、および介護報酬改定で気になるポイントについて解説します。
新設された24時間訪問介護サービス

このたびの介護保険制度改正により新設されたのは、「定期巡回・随時対応サービス」。中・重度の要介護者でも、介護を受けながら自宅で過ごせるように、1日のうち数回決まった時間にヘルパーや看護師が訪問、また必要に応じて24時間緊急連絡に応じてくれるというサービスです。
このサービスは、要介護1~5の方が対象で、要支援の方は利用できません。費用は、1か月間定額で、約9,300円~30,500円(介護・看護一体型の1割負担/地域や事業者によって金額は異なる)となっています。24時間いつでも、と聞くと頼もしい限りですが、現実的にはさまざまな課題も多くあります。
日中の介護職でも人手が十分とは言えない中で、24時間介護職として働ける人材の確保が難しいと予測されています。また、モデル事業では、定期訪問は1人あたり1日約5回程度(1回訪問が約15分)といわれており、重度の要介護者にとって十分かどうかは判断が難しいところです。
利用者が介護事業者を自由に選択できる分、事業者側からすると訪問先が拡散されてしまい非効率となります。その点、本サービスの事業所併設の高齢者住宅などは、ほとんど同施設内にいるのと同様のメリットもあり、随時対応などへの期待もできるでしょう。住み替え検討時に覚えておきたいポイントです。
介護報酬改定で気になるポイント
介護保険は、サービスごとに全国一律の「単位数」という基準を定めており、この単位数に地域別の単価をかけて費用を算出します。基準は単位数に10円をかけますが、東京23区などは物価が高いので、11.05円など(サービスにより異なる)になります。よって同じサービスでも、地域により費用が異なってきます。
今回は介護報酬の改定も行われ、各介護保険サービスで利用できる時間や単位数が変更されました。中でも、介護付有料老人ホームに注目してみましょう。
介護付有料老人ホームは、「特定施設入居者生活介護」(1か月の介護の費用が定額制)です。今回の改定で単位数が減ったため、利用者側からすると“安く”なったといえます。さらに特定施設の看取りの対応について、今回新しく「看取り介護加算」がつくられました。これにより、介護付有料老人ホームの運営企業が『入居者がホームで最期を迎えられる体制』を整えてくれることに(全ホームとはいかないまでも)期待ができます。
看取り加算は、利用者にとっては費用負担が生じますが、最期を病院で迎えたくないと思う本人や家族には、メリットのある今回の改定ではないでしょうか。
そのほかにも、在宅サービスを含めさまざまな改定がなされています。今後住み替えを予定している方にとっても、介護費用に密接に関係する部分です。ぜひ知識をもっておきましょう。
(2012年4月19日 読売新聞)
新設された24時間訪問介護サービス

このたびの介護保険制度改正により新設されたのは、「定期巡回・随時対応サービス」。中・重度の要介護者でも、介護を受けながら自宅で過ごせるように、1日のうち数回決まった時間にヘルパーや看護師が訪問、また必要に応じて24時間緊急連絡に応じてくれるというサービスです。
このサービスは、要介護1~5の方が対象で、要支援の方は利用できません。費用は、1か月間定額で、約9,300円~30,500円(介護・看護一体型の1割負担/地域や事業者によって金額は異なる)となっています。24時間いつでも、と聞くと頼もしい限りですが、現実的にはさまざまな課題も多くあります。
日中の介護職でも人手が十分とは言えない中で、24時間介護職として働ける人材の確保が難しいと予測されています。また、モデル事業では、定期訪問は1人あたり1日約5回程度(1回訪問が約15分)といわれており、重度の要介護者にとって十分かどうかは判断が難しいところです。
利用者が介護事業者を自由に選択できる分、事業者側からすると訪問先が拡散されてしまい非効率となります。その点、本サービスの事業所併設の高齢者住宅などは、ほとんど同施設内にいるのと同様のメリットもあり、随時対応などへの期待もできるでしょう。住み替え検討時に覚えておきたいポイントです。
介護報酬改定で気になるポイント

介護保険は、サービスごとに全国一律の「単位数」という基準を定めており、この単位数に地域別の単価をかけて費用を算出します。基準は単位数に10円をかけますが、東京23区などは物価が高いので、11.05円など(サービスにより異なる)になります。よって同じサービスでも、地域により費用が異なってきます。
今回は介護報酬の改定も行われ、各介護保険サービスで利用できる時間や単位数が変更されました。中でも、介護付有料老人ホームに注目してみましょう。
介護付有料老人ホームは、「特定施設入居者生活介護」(1か月の介護の費用が定額制)です。今回の改定で単位数が減ったため、利用者側からすると“安く”なったといえます。さらに特定施設の看取りの対応について、今回新しく「看取り介護加算」がつくられました。これにより、介護付有料老人ホームの運営企業が『入居者がホームで最期を迎えられる体制』を整えてくれることに(全ホームとはいかないまでも)期待ができます。
看取り加算は、利用者にとっては費用負担が生じますが、最期を病院で迎えたくないと思う本人や家族には、メリットのある今回の改定ではないでしょうか。
そのほかにも、在宅サービスを含めさまざまな改定がなされています。今後住み替えを予定している方にとっても、介護費用に密接に関係する部分です。ぜひ知識をもっておきましょう。
(2012年4月19日 読売新聞)
Posted by ふくえん at 08:53│Comments(0)
│介護保険情報