<介護保険解体!>『やりなおし介護保険――制度を生まれ変わらせる20の方法』発行
(CMO 2013/11/21 14:30 配信)
筑摩書房は、「をよくするために」問題点や改善策を具体的に提案した一冊、
『やりなおし介護保険――制度を生まれ変わらせる20の方法』を発行した。
著者は、地域・在宅医療の第一人者、増子忠道氏。そして、増子氏を「長年の師」と呼ぶ宮崎和加子氏が同書の編集を担当している。宮崎氏は、増子氏の執筆を強く勧めてきたという。
その理由を、宮崎氏は同書のあとがきでこう記している。
「まずなによりも、増子先生の発想や提案がとてもおもしろいからです。“おもしろい”にはいろいろな意味合いがありますが……
増子先生の考え方には、どの立場の人であっても“そうだよね”“わかりやすいね”……と、身を乗り出すような魅力があるのです」。
さらに、「(増子氏は)長年高齢者医療や在宅ケア、訪問看護に携わってきたものとして、介護保険をもっとよくしたいと思う気持ちが強いからです」と、宮崎氏は述べている。日本の高齢社会対策はこれからが本番だ。特に社会保障分野の介護保険については批判も多く、実に多くの課題を抱えているのが現状なのは、周知の通りである。「そういう中で、今必要なことは、当事者も含めてどの立場の人も“これからどうするのか”を本気で考えることです。
一見突拍子もないように思えるアイデアも どんどん出してみて、その上で激論し、“要介護状態になっても生き生きと自分らしく生活し生きられる”社会に一歩でも近づくよう、制度や仕組みを構築して いくことが大切だと思います」。その方法を利用者の目線で大胆に提言し続けているのが増子氏なのだという。
わかりにくく使いにくい介護保険をリセットし、再起動させるための20の方策は、介護関係者のみならず、誰にとっても興味深いに違いない。さらに、誰もが分かりやすくするために、各提案の冒頭にQ&Aを付している。これまでにない、ユニークな一冊だ。
■書名:『やりなおし介護保険――制度を生まれ変わらせる20の方法』
■目次:
介護保険は55点―これが現在の到達点
困ったときに役立たなければ保険じゃない―根本的な解決が早急に必要
介護が急に必要になることもある―急護120番通報システムの構築を
制度の仕組みが複雑怪奇―もっとわかりやすい仕組みに
要介護認定はわかりにくい―介護度を7段階から3段階へ
認知症は要介護認定になじまない―身体介護と別立てで
支給限度額は弊害が大きい―支給限度額をやめて平均総額に
介護保険の“壁”―訪問看護・訪問リハはすべて医療保険で
役割のはっきりしない3施設―介護は介護保険で、医療は医療保険で
居宅の加算は機能していない―居宅の加算は除外する(ほか)
■著者:増子忠道
■編集:宮崎和加子
■定価:2,100円(税込)
■仕様:A5判/224ページ
■発行:筑摩書房
◎筑摩書房
http://www.chikumashobo.co.jp/