福祉用具、選び方のコツを一冊の本に

ふくえん

2013年07月26日 08:30

(中日新聞 2013年7月24日)

福祉用具の購入や利用、住宅のバリアフリー改修のノウハウをまとめた「これで安心!! 買う前に読む 福祉用具の選び方」の改訂版が、八月一日に出版される。十二年前に発行した小冊子の内容を一部改訂し、一冊にまとめた。展示スペースを設け、福祉用具などの情報提供をしている福祉用具の講座を開く「なごや福祉用具プラザ」(名古屋市昭和区)が編集しており、実用的な情報が多い。



 本はA4判、百三十六ページ。生活の場面ごとに、(1)座って移動する(車いす、電動車いす)(2)立って移動する(つえ、歩行器、靴)(3)乗り移る(移乗用具)(4)座る(いす、つくえ)-など十一項目を設けた。それぞれに車いすを選ぶ際の注意点や、ベッドから車いすへの移乗を助ける道具、利用者本人と介護者が使いやすいベッドの高さなどを紹介している


 具体的には「つえを使うなら、使わないつえを立て掛けるホルダーがあると便利」といった、実際に使ってから気付くような情報も豊富。イラストも多く、慣れない福祉用具もイメージがしやすい。


 最近、トラブルが多い住宅改修でも、「住む(手すり・住宅改造・昇降装置)」の項目を設けている。例えば、手すりは、つえのように体を支える目的と、歩く際に手を前に滑らせてバランスを取る目的があるとし、目的により高さが異なると解説している


12年ぶりに改訂版が出た「これで安心!!買う前に読む福祉用具の選び方」


 執筆者の一人で、名古屋市総合リハビリテーションセンターの理学療法士、佐藤晃さんは「立って腕を垂らしたときの手首の高さが、手すりを取り付ける基準。バランスを取る機能重視ならやや高めに、体を支える機能を重視するなら、手首よりやや低めになります。低すぎると使いにくくなるので、迷うときは少し高めにすることが多い」と説明する。

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 十二年前に出版したハンドブックは、B6判と小さめで、十一冊に分かれていた。前回も出版に関わった大井企画(名古屋市東区)が、障害者対応の情報機器の発達など状況が変わった部分を改め、一冊にまとめた形での改訂版の出版を、福祉用具プラザに提案した。


 同社の野村和弘・営業部長は、「福祉用具を上手に使いこなすきっかけになれば。介護保険で福祉用具を導入する際に、ケアマネジャーが利用者に福祉用具を説明するのにも使えるのでは」と話す。


 一冊千五百七十五円。大井企画=ファクス052(508)7145=に冊数、注文者の氏名、住所、電話番号を書き、注文する。代金引換便で送る。送料八百四十円(代引き手数料込み)。ホームページ(「大井企画」で検索)からも申し込める。

 (佐橋大)

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