構成員に現職ケアマネは1人だけ―厚労省ケアマネの・・
『構成員に現職ケアマネは1人だけ』――厚労省ケアマネのあり方検討会(1)
(ケアマネジメントオンライン 2012/04/02 12:00 配信)
3月28日、東京・西新橋で厚生労働省の「介護支援専門員の資質向上と今後のあり方に関する検討会」の第1回会合が開かれた。この検討会は、社会保障審議会介護給付費分科会において、「ケアマネジャーの養成・研修課程や資格のあり方に関する検討会を設置し、議論を進める」とされたことを踏まえて開催され、いわばケアマネジャーの今後を決定づける大切な議論。議論は今年秋までに整理される予定だ。
開催告知期間が短かったせいか、一般傍聴席は空席が目立ち、マスコミ取材も少なめだった。
検討事項として挙げられたのは、ケアマネジャーをめぐる課題の整理、養成カリキュラム・研修体系のあり方、試験のあり方、資格のあり方。事務局からは「ケアマネジメントのあり方も含め広く検討したい」との補足があり、ケアマネジャーを全方位から検討するといったイメージだ。
検討会の構成員21名は、社保審給付費分科会委員との重複が日本介護支援専門員協会会長の木村氏を始め7名、それ以外の業界団体・職能団体からの構成員が5名、大学教授が4名、保険者代表が1名、その他の有識者が3名。
現職のケアマネジャーは1名だけで、利用者サイドの代表は含まれていない。
この構成に対しては武久洋三氏(日本慢性記医療協会常任理事・池端氏代理人)から、「
現職者が1名だけとは。少なくとも2,3名の現職者を入れて、直接、声を聞くべきではないか」との指摘があった。しかし、事務局は「ケアマネジャーと直接やり取りしている保険者の代表や、現場の声を聞いている日本介護支援専門員協会会長、民間事業者の代表に来ていただいているので、現場のご意見は伺えると考えている。他の方からもどうしても、というご意見があれば考えるが…」との回答で、このままのメンバーで検討が進められるようだ。
さて、検討会の内容だが、まずは事務局から配付資料の説明があり、その後、構成員全員が順に一言ずつコメントした。
事務局が提示した資料は、まずケアマネジャーをめぐる現状と課題として、制度的位置づけ、機能的位置づけ、資格要件、研修体系。参考資料として、これまでのケアマネジャー関連の制度改定内容(各種加算等)のほか、サービス担当者会議の開催状況、ケアプランに位置づけられたサービス種類数、ケアマネジャーの勤務上の悩み、ケアプラン作成上の困難、セルフケアプランについて、施設ケアマネジャーの悩みなど。
一方、各構成員からのコメントでは、ケアマネジャーの資質・能力についての問題、評価のあり方の問題、求められている職能の問題、保険者機能の問題、医療との連携を含め、適切なケアマネジメントを遂行しやすい仕組み作りの問題などについての指摘が多かった。医療との連携についての問題はこれまでも繰り返し指摘されているが、
ケアマネジャーだけに責任があるのではなく、医療側の問題やしくみの問題もある、との意見が複数聞かれた。
また、
施設ケアマネジャーと居宅ケアマネジャーはまったく機能が違うので分けて検討すべきだという指摘も。山田和彦構成員(全国老人保健施設協会会長)からは、施設では介護保険以前からケアに携わる全メンバーが関わってケアプランを立ててきた、施設にケアマネジャーが配置されたことで現場が混乱した、施設にケアマネジャーは本当に必要かも議論したい、との発言もあった。
初回と言うこともあり、まだ意見は散発的ではあったが、「
中立公正をケアマネジャーだけに求めるのは無理がある。これは保険者の経営マネジメント力に拠るところも大きい」(東内京一氏・埼玉県和光市長寿あんしん課長)、「ケアマネジャーに求められている職務が曖昧。達成レベルが不明確だから力量に自信が持てない。これを明確化すべき」(馬袋秀男氏・民間介護事業推進委員会代表委員)など、鋭い意見も見られた。
――構成員の代表的な意見の詳細については、検討会(2)へ続く
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