介護と医療自己負担軽減制度

ふくえん

2013年12月25日 08:30

介護と医療の費用負担が高額になった場合、軽減してくれる制度があるそうですが、どんな仕組みですか。


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年間の合算額に上限

 介護保険と医療保険の両方に自己負担を一定額にとどめる仕組みがある。さらに、介護と医療の自己負担の合計についても同様の制度がある

 介護保険の仕組みは「高額介護サービス費制度」。所得に応じて1か月の自己負担に上限額が設定され、超えた場合は払い戻しが受けられる。

 上限額は一般的な所得の世帯(住民税課税世帯)では月3万7200円。サービス利用者が世帯に複数いれば、それぞれの負担額を合算できる。ただし、施設入所中の食費や居住費、利用限度額を超えた在宅サービス費用、福祉用具の購入費などは除外する。

 医療保険の仕組みは「高額療養費制度」。やはり所得に応じて1か月の自己負担に上限額が設けられており、70歳未満と70歳以上で異なる。70歳以上の一般的な所得の人では月4万4400円(入院含む)が基本。世帯内に同じ医療保険の加入者がいれば、負担額を合算できる。

 ただ、高齢世帯では介護も医療も利用するケースが多い。それぞれの制度で負担額が軽減されても、合計では相当の金額になる場合もある。また、1か月あたりの自己負担は限度額に届かず、軽減対象にならなくても、何か月も積み重なれば負担感は強い。

 このため、介護と医療の自己負担の合計を一定額に抑える仕組みもある「高額医療・高額介護合算療養費制度」で、年間(8月~翌年7月)の負担合計が上限額を超えれば、超過分を払い戻す。

 上限額は所得と年齢に応じて設定され、75歳以上の人だけの一般的な所得の世帯では年間56万円。介護と医療の両方で自己負担があることが利用の条件だ。原則として世帯内で合算できるが、国民健康保険と後期高齢者医療制度など加入する医療保険が違うと合算できない

 いずれの制度も自分で申請することが基本。介護は市町村の介護保険担当課、医療は加入先の医療保険に。合算制度は、まず介護保険担当課、次に加入先の医療保険に申請する。市町村が運営する国民健康保険などの加入者は一つの窓口ですむこともある。なお、今後予定される70~74歳の医療費の窓口負担見直しなどに伴い、上限額が変わる可能性もある。(石原毅人)

(2013年12月24日 読売新聞)

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