高齢者の“やる気”を生み出す介護プログラム

ふくえん

2013年12月14日 08:30

<作品で報酬>高齢者の“やる気”を生み出す介護プログラム
(CMO 2013/12/13 17:00 配信)

生活力発見型デイサービス鶴亀寿々庵小倉沼南を運営する株式会社エールアクティブは、高齢者の“やる気”を生み出す介護プログラムのうちの1つ「本格的かつ若々しい創作活動」で手作りしたグッズを販売し、その収益による「報酬」を受け取る仕組みを構築している

■高齢者の“やる気”を生み出す介護プログラムとは?
高齢者の“やる気”を生み出すためには「好奇心」「目標」「報酬」の3つが必要であると言われている。
今回、デイサービス鶴亀寿々庵小倉沼南では介護プログラムの内の1つ「本格的かつ若々しい創作活動」で、エコクラフトを活用した「かわいい家の形をしたティッシュボックス」の作成を提案することで「好奇心」を刺激した。

次に「みんなで頑張って作って美味しいお寿司を食べよう!」といった明確な「最終目標」を設定し、同時に作業時間を午前中の1時間と短く区切ることで「ここまで作ろう」といった「短期的な目標」も設定。
これにより短時間でも確実に成果を上げることができ、自分にもできたという達成感を得られやすい仕組みになっている。

ここまでなら、先進的なデイサービスや施設では、すでに実施していることだろう。
しかし同社は、実際に手作りしたグッズ「ティッシュボックス」を1個あたり500円で販売することにした。約2ヶ月の製作期間で24個の「ティッシュボックス」が完成して予約を受け付けたところ、予想を大幅に上回る53個の注文を得た
「即日完売ですよ!」「買った人も喜んでいましたよ」などといった良い評価を得られたことで、高齢者のなかに、さらに「やる気」が生まれ、好循環が生じている。

そして、自分たちが作ったものが喜ばれて使われているという事実と今回作業を頑張って得た収益で、美味しいお寿司をみんなで食べるという成功体験が「報酬」となり、高齢者へのモチベーションへとつながっていく

このように“やる気”を生み出す介護プログラムに参加することで「好奇心」に満ちたいきいきとした老後を送り、これからの「目標」を持ち人生を楽しむ力を養うことにもつながる。




デイや施設でのレクで、さまざまな手芸作品を作る光景は、今は当たり前のこととなっているが、これらを商品化し、報酬を得るという試みは、バザーなどイレギュラーな場以外で恒常化している例はあまり聞かない。対価を得るということは、その金額にふさわしいレベルの作品の完成度も求められるため、デイなどの利用者全員にそのスキルを求めることは難しい。また、ややもすれば、スキルの差から利用者間の優劣にもつながりやすい。
しかし、同社の試みは、報酬は現金を配分するわけではなく、売り上げでお寿司を食べに行くなどの日常のイベントに昇華させることで、利用者のやる気につなげている

こうした試みが日常化すれば、利用者も単に「お世話になる」という気持ちだけでなく、作ったもので喜んでもらえ、自分たちも何らかの慰労が得られるという新たな循環が生まれてくるだろう。

◎株式会社エールアクティブ
http://ameblo.jp/turukamejujuan/

ケアマネジャーのための専門サイト
【ケアマネジメントオンライン編集部 樋口】

関連記事